元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー






「愛されたいだけなのに…っ!


愛されたいと思う事のっ、何が悪いのよ!!」





泣き叫ぶ麻里奈ちゃん。




私は無言で一歩一歩歩み寄り、





―――バチンッ








「…っ!?」







思い切り、その頬を叩いた。







「な、にするの…っ」



「……愛されたいと思うなら、どうして傷つけようとするの?」



「っ」




「みんなは麻里奈ちゃんのこと、仲間だって思ってるんだよ!ちゃんと愛されてるのに!」




麻里奈ちゃんに言いながら、私の両眼から涙がボロボロ落ちる。





「麻里奈ちゃんが愛され方を間違ってちゃダメなんだよ!!



愛されたいなら愛しなさいよ!!」





道を間違えちゃダメ。




愛されたいと思うなら、


その分その人を愛して。





麻里奈ちゃんは、愛されようとする方法を間違えた。





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