元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「なん、で…っ、私もうっ、要らないじゃん…!」
「……桜」
「やだ、やだ…っ名前なんて呼ばないでよ!!」
私、みんなを忘れられないじゃん。
取り乱す私。
蓮は私の腕を掴み、
「許してなんて、言わない…。だけど桜、」
「……」
無表情を崩し、顔を歪めた。
「俺は、俺達は子供で、裏切り者だと囁かれたお前を、突き放した」
「…」
「桜が裏切るわけない、そう思う反面、麻里奈が嘘をつくわけない、そう思ってた」
「……っう、ん…」
「矛盾してたんだ。全部、全部…。俺達が悪かった」