元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
私を仲間だと。
居場所をつくってくれた。
……あのね、蓮。
私ホントは――――
「さよなら。…ずっと、好きだよ」
――――あぁ、ごめんなさい。
最後に弱音を吐いた事を、どうか許してね。
私は最後まで笑った。
好きな人の目に映るなら、最後は笑顔がいい。
泣き顔なんてややこしいでしょ。
数年後、全て忘れて。
何も無かった事にして。
記憶から私が消えて。
そしたら、もう苦しまなくて済むでしょ。
蓮は、総長として沢山のプレッシャーを背負ってた。
守らなければいけない、全部。
混乱する中から私が消えればそれだけで。
足手まといの私を守らなくていいように。