元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
私、麗華の悲しい顔が嫌い。
一番、嫌いだよ。
笑ってて、欲しいのに。
私の事で思い詰めなくていいのに。
「……何の事?」
だから私は、笑って嘘をつく。
「っしらばっくれないで!!何年一緒に居ると思ってるの!?…桜に何かあったぐらい、」
分かるわよ…、と。
悲痛な声で呟く麗華。
あぁまた、
その顔。
「……麗華、私は大丈夫。大丈夫だから―――」
その言葉はまるで、
私が自分自身に言い聞かせているみたい。
「……っ、桜はいつもそうよ!あたしには何にも話してくれない!どうして、一人で抱え込もうとするの…?」
「麗華、」
「あたし達、親友でしょう……?」
―――泣かないで麗華。
私が悪いんだよ。
全部、私が。