元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「……麗華は、親友だよ。私の唯一の親友」
大切で、大事で。
私が一番守りたい、大切な存在。
「大切だから、巻き込めない。麗華に辛い思いなんてして欲しくないの!」
私のせいで苦しんで欲しくない。
麗華はただ、私の隣で笑っていて欲しい。
「……桜が知らないだけよ」
「え…?」
俯いたまま、麗華が唐突に言葉を零す。
「あたしは、桜が思っているよりずっと………」
そこで言葉を切り、顔を上げた。
麗華の瞳の中に、慈悲が宿っていて。
ねえ、なんでそんな悲しい顔をするの?
麗華の言葉、それから、
その表情の意味は、なに?