元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「麗華、麗華...っ」
怖い、怖いよ。
麗華まで離れていってしまったら、と考えると、怖くて仕方が無い。
そう思うことは、ワガママ、なの?
泣きそうに歪んだ私の顔見た麗華は同じように顔を歪めた。
麗華は、私の気持ちを理解してくれる。
麗華は、
「......あたしはっ、離れていったりなんかしない。桜を、捨てたりなんかしないわ」
―――私が、欲しかった言葉をくれる。
「っほんと?ほんとにっ?」
「ほんとよ」
「嘘じゃない、よねっ?」
「嘘なんかじゃないわ」
何度も何度も問いかける私に麗華は優しい顔で答える。