元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
来龍のみんなに裏切り者だと言われ、捨てられた時の悲しさ、辛さ、悔しさ。
そして、怖さ。
私の心の奥に染み付いて離れないまま、その恐怖は広がっていく。
いつか麗華にまで捨てられるんじゃないか。
掌を返され、嘲笑いをされる日が来るんじゃないか。
信じてる、なんて自分に言い聞かせ。
その裏では麗華のことを、信じていなかったのかもしれない。
―――裏切り者なんて要らない
その言葉が私を縛り付ける。
頭の中に浮かぶ、裏切り者だと言われたあの日が、
消しても消しても消えてくれないんだ。