元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





麗華に背中を押してもらったのに。




きっと麗華は今も、私を待ってくれている。




なのに。






「……っぅ、ふぅっ、う…」





ポロポロと留まることなく両眼から零れ落ちる私の弱さ。





どうして私はこんなに弱いんだろう。




いつも中途半端で。辛い現実から目を背けて。見ないように、見えないように。





傷つきたくないから。







ーーーそんなの、ただの言い訳に過ぎないのに。





わかってる。わかってるよ。辛いのは私だけじゃないことも。






めぐるだって、蓮だって、私の知らないところで傷ついてる。




2人は私に立ち向かってくれたのに…。
















< 331 / 355 >

この作品をシェア

pagetop