元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
麗華に背中を押してもらったのに。
きっと麗華は今も、私を待ってくれている。
なのに。
「……っぅ、ふぅっ、う…」
ポロポロと留まることなく両眼から零れ落ちる私の弱さ。
どうして私はこんなに弱いんだろう。
いつも中途半端で。辛い現実から目を背けて。見ないように、見えないように。
傷つきたくないから。
ーーーそんなの、ただの言い訳に過ぎないのに。
わかってる。わかってるよ。辛いのは私だけじゃないことも。
めぐるだって、蓮だって、私の知らないところで傷ついてる。
2人は私に立ち向かってくれたのに…。