元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
ーーーー
ーーー
今日、二度目の倉庫。
「……」
だけど一度目とは違う。
一度目は勇気を振り絞ってここまで来たのに、結局逃げてしまった。
二度目はもう失敗しない。
私の中に、何か強いモノが生まれた、
……そんな気がするから。
「………蓮」
愛しい彼の名前が自然と口から零れた。
彼は、…蓮は、逃げて前に進んで…また逃げた私を、どう思っているのかな。
……臆病者だと、罵られるかもしれない。だけどそれは逃げた私が弱いだけだから。
今はもう、大丈夫。