元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー




目の前にある大きな倉庫を見上げる。




思い出の詰まった、私にとっても大事な倉庫。



まだみんなと一緒に居られた頃を思い出すと、自然と頬が緩んだ。





みんなとの思い出は、私を暖かい気持ちにしてくれる。




どんなに辛くても今まで思い出を胸に秘めて耐えてきた。






だから、






今からどれだけ辛い真実を突きつけられても耐えられる、そう思えた。





「………あ、」





不意にスカートからくしゃっと音がし、ポケットの中に手を入れ探る。




中から出てきたのは一枚の白い紙。






「”Let's make the end”、」






一度目に倉庫にくるきっかけとなった、めぐるからの手紙だ。




……終わりにしよう、それは、




めぐるがしたかったこと、だ。









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