元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「いいんだよ、桜」
「…!?麗華っ、どうしてここに…」
後ろから聞こえた声に、バッと振り向く。ここにはいないはずの、麗華がいた。
「もういい、いいんだよ桜。縛り付けてごめんね。確かにあたしは桜が大事で大事で、ずっとそばにいて欲しい。
でもね、桜が幸せじゃないと意味ないの。もう、来龍にもどっていいんだよーー。」
「麗華…。」
そう言って麗華は優しく微笑んだ。
また、涙が溢れそうになる。
「わたしね、麗華が友達で、とっても幸せなの。どんなに辛い時も麗華が居たから耐えられたの…。
ーーありがとう、麗華」
麗華が、背中を押してくれた。わたしはもう前に進まなくてはいけない。
…そうだ。麗華も、…来龍も、わたしにとって大切な宝物。もう、どっちも掴んだって、いいんだよねーー?
「ねえ、蓮」
わたし、決めたよ。
「また一緒に、居させてくれる…?」
それがわたしのほんとの望み。