元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー

「ずっと、俺の…俺達の傍に居てくれ」


「うんっ、うん…っ!」


ボロボロ、また抑えてた涙が零れ落ちる。なくなったはずの、わたしの大切な居場所。

やっと、やっと、ーー帰ってきた。





「…ハッピーエンド、って言いたいとこだけど、まだなーんにも終わってないわよ。

ーーあんた達がこの問題に歯止めをかけるのよ。」



「分かってる。俺達の手で終わらせる。


ーーありがとう、な。」


「…あんたの為じゃないわ。さ、く、ら、の為!さっさと終わらせなさいよね」


ふんっ、と仰け反った麗華に、蓮がおかしそうに微笑んだ。



…本当にありがとう、麗華。わたし、麗華が居なかったら二度とこんな風に笑えなかった。だから、そんな麗華のためにも、全部終わらせる。







ーーめぐるも、待っててね。





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