元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「俺は……………反対だ。」
「はっー…?」
突如、櫂がそんなことを言い出した。
渉は目を見開いている。
僕だって、そうだ。
だって、櫂は一番麻里奈を気にかけていたから。そんなことを言う筈がないんだ。
…まぁ、僕も反対、だけど。
「おいおい。アイツが麻里奈にした事を忘れたのか?」
渉が櫂に問いかける。
「……忘れてなんかねぇよ」
「ならっ…!!」
「でも」
櫂はそこまで言った後、一旦口を紡ぐ。