うっかり持ってきちゃいました
フィルは気を取り直して私に説明を続ける。
「えーと、ここはあんたのいた世界とは違う。魔法使いも精霊も竜も居る。ってさっき窓から見たよな。で妙なこと口走ってたもんな」
そう。百聞は一見にしかず。
日本どころか地球じゃねーなこれ、ってしかとこの目で確かめましたとも。
「あんたは俺が召喚した」
「それは聞いた。だから、わざわざ召喚するなら私には隠された力とかあるんじゃないの?」
華々しく勇者デビューかと思ったのに。
「いや別に。単に初めての召喚術でうっかり持ってきちゃっても影響なさそうなもん引っ張ってみたら、あんただった」
「なんだそれぇえ!あたしは街で配られてるティッシュか何かか!」
フィル君の衝撃的デリカシー無さ過ぎ発言に、うっかり涙出た。
つうかヒドイ!どんな審査基準なのか、断固やり直しを要求する!
「ああでもね、フィルはこの世界での召喚術を試してたんだ。うっかり異世界繋げちゃうなんて我が弟子ながら凄い力なんだよ」
弟子馬鹿お師匠様がにこにこと教えてくれる。でもその情報、今いらない。
うっかり美形は目の保養に良いけれど、そんな理由ならお断りだ。
ぶうぶう膨れたら、お師匠様はまたまたにっこり。
「とりあえず観光、してきたら?お師匠様がお小遣いあげるからさ」
「いやったあ!さすがお師匠様!いよっ、美形魔法使い!」
手のひらを返した私に、フィルが唖然とした後、ちょっと不機嫌そうに言った。
「お前のお師匠様じゃないし。つうか変わり身早過ぎだし」
「何よヤキモチ焼くなよう。別にあんたのお師匠様取らないわよ」
横目で言ってやったら、彼は顔を真っ赤にして黙っちゃった。あはは、可愛いヤツめ。
「女子高生にお小遣い。これって危険なワードだよね」
お師匠様なんか変態チックなこと言ってるけど。
異世界でも残念な美形ってのはいるんだな。
「えーと、ここはあんたのいた世界とは違う。魔法使いも精霊も竜も居る。ってさっき窓から見たよな。で妙なこと口走ってたもんな」
そう。百聞は一見にしかず。
日本どころか地球じゃねーなこれ、ってしかとこの目で確かめましたとも。
「あんたは俺が召喚した」
「それは聞いた。だから、わざわざ召喚するなら私には隠された力とかあるんじゃないの?」
華々しく勇者デビューかと思ったのに。
「いや別に。単に初めての召喚術でうっかり持ってきちゃっても影響なさそうなもん引っ張ってみたら、あんただった」
「なんだそれぇえ!あたしは街で配られてるティッシュか何かか!」
フィル君の衝撃的デリカシー無さ過ぎ発言に、うっかり涙出た。
つうかヒドイ!どんな審査基準なのか、断固やり直しを要求する!
「ああでもね、フィルはこの世界での召喚術を試してたんだ。うっかり異世界繋げちゃうなんて我が弟子ながら凄い力なんだよ」
弟子馬鹿お師匠様がにこにこと教えてくれる。でもその情報、今いらない。
うっかり美形は目の保養に良いけれど、そんな理由ならお断りだ。
ぶうぶう膨れたら、お師匠様はまたまたにっこり。
「とりあえず観光、してきたら?お師匠様がお小遣いあげるからさ」
「いやったあ!さすがお師匠様!いよっ、美形魔法使い!」
手のひらを返した私に、フィルが唖然とした後、ちょっと不機嫌そうに言った。
「お前のお師匠様じゃないし。つうか変わり身早過ぎだし」
「何よヤキモチ焼くなよう。別にあんたのお師匠様取らないわよ」
横目で言ってやったら、彼は顔を真っ赤にして黙っちゃった。あはは、可愛いヤツめ。
「女子高生にお小遣い。これって危険なワードだよね」
お師匠様なんか変態チックなこと言ってるけど。
異世界でも残念な美形ってのはいるんだな。