不器用なやつら
タイトル未編集
再会
「寒い…。」
七月初旬、暦的にも日差し的にも夏は始まっているというのに私の職場にそんな気配はまるでない。
仕事柄、室温は年中22℃に保たれているため夏であろうと職場にいる限りそれを感じることはないのである。
それどころか長袖着てても寒いもんなー。
自分のデスクで今日の仕事内容を確認していたら後ろからふ、と人の気配がした。
「藍ちゃん、おはよう。」
「あ、おはようございます!」
私に声を掛けてきたのは直属の上司である清水さん。
三十代半ばでありながら、私の所属部署のトップである清水さんはとても格好良いキャリアウーマンである。
サバサバしているけれどよく笑い、引締めるべき時には厳しい一面も見せる、
尚且つ周りの部下の状況把握や気配り・声かけも絶妙。
ときたら、そりゃあ憧れますわよ。