幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
【沖田side】
障子窓から差し込む光で目が覚める
「あー…眠っ…」
一つ欠伸をしてゆっくりと体を起こす
起きたら庭にでて刀を振る、それが僕の習慣となっていた
「ふぅ…」
1つ、汗がツゥ…と流れ鎖骨にポタリと落ちる感覚を感じて、手ぬぐいで汗を拭く
「総司、今日も早いな」
「んーまあね。おはよう一君。」
相手もいつもの無表情でおはよう、とのんびり答える
「…そろそろ鈴音ちゃんが朝ご飯…あ、駄目だ」
いつもは彼女が朝ご飯を作ってくれる。
でも今日は、
「副長と一緒に居るんだったな。それならこちらも起こす訳には行かないか」
「今日は日頃の感謝を込めて僕らが作りますか〜」
なんて言いながら心の中で「誰に作らせようかな」と考える
もちろん、自分は手伝い程度しかする気はない。
誰かの調理姿を見る方が絶対面白い
「あ、そーじー!はじめー!」
子供のような無邪気な声が聞こえた
「一君…」「そうだな…」
2人口角を上げ顔を見合わせ、
「平助ー、今日の朝食当番は平助と新八君で決定だからね」
朝から面白いものが見れそうだ。