幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
「…と言うことなんだよねぇ」
「なんだ、調理場が妙に騒がしいと思えばそーゆーことか!」
ゲラゲラと笑う局長と
「馬鹿かお前らは」
呆れながらも楽しそうに笑う歳三さん。
「鈴音〜?笑い過ぎだよ〜もう…」
だって面白いんだもん。とっても楽しそう、とクスクス笑う私を見て、ふてくされる平助君。
「でも、朝食を作って下さるなんて…ありがとう、平助君、永倉さん」
「いいってことよ!」
「鈴音ちゃんの為だし?」
「えー、提案したのは僕なんだけど?」
そんな光景をみて、またクスクスと笑う。
みんながいる事で、愛する人がいることで、毎日飽きることがない。
…昔は明日なんて来なければいいのに、と心の隅で思っていた。
今では明日が楽しみで楽しみで仕方がないくらい幸せだ
「本当に…ありがとう」
無意識にポツリと零した言葉は、和やかな雰囲気に溶けて消えた。