幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
蝶々に
ーー...これが、私の過去です。」
伏せていた目をゆっくりと開けると、みんなは深刻な顔を俯かせていた
「...あの...驚...キャア!」
突然大きな体に抱きしめられた。
「ちょ...!!近藤さん!?」
土方さんが慌てる
抱きしめたのは近藤さんのようだ。
「鈴音ちゃん...!!辛かっただろう?今までよく頑張ってきたなぁ!!もう...泣いていいんだぞ!」
近藤さんはまるで自分の事のように泣いてくれた。
そのことが心にしみて、今まで我慢していた私の涙腺が緩み、涙が溢れた
「...はっ!ごめんよ鈴音ちゃん!傷を放ったらかしにしてしまって...痛むだろう?...ちゃんと傷を見せてくれるかい?」
近藤さんはパッと私から離れ、そう言った。
「い、いえ...っ!はい。ありがとうございます...」
こくり、と頷いたのを目の前の土方さんは優しい顔で見つめ
「俺達こそ、鈴音、お前の話をしてくれてありがとう。...それじゃあ改めて、手当をするから...おい!お前らそこに居てもいいがあっち向いてろ!」
周りにいた沖田さん達に土方さんはそう言った
「「えぇー?」」
「あ゛?」
「...すいませんでしたあっち向いときます」
そんなやりとりが微笑ましくて思わず緩む頬。そんな私の頭を土方さんはポンポンと暖かく大きな手で撫でる