幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
奪い合い
家茂と出会ってから3日経った。
いつ屯所が襲われるのか分からない中、新撰組は冷静かつ気配を気にしながらいつも通りに過ごしていた。
夕暮れ時、部屋で話していた土方と鈴音の元に、ドタドタという足音と共に慌てた顔で隊員が部屋に顔を出した。
「副長!!!」
焦ったような声色を聞いて何かを察したのか、土方さんは真剣な顔をし、隊員をみた
「…どうした」
「何者かが、屯所を襲撃しに来ました」
「チッ…来たか…総司達を呼べ!」
「はい!!」
「鈴音…お前は俺のそばにいろ。絶対に守ってやる。」
土方さんの言葉に胸がきゅうっ締め付けられる。
こんな気持ちは初めてで、内心戸惑いながらも土方さんの目を見つめ、しっかりと頷いた。