幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
「新撰組の土方歳三はん…鬼の副長なんて聞いておりましたが、そんなことありまへんなぁ。美形で男前やし、お似合いの2人、とはまさにこのこと…」
真っ赤になる鈴音とは違い、歳三さんは嬉しそうに涼しい顔をして酒を飲んでいる。
「そういえば、鈴が島原に帰ってきた、ってもう広まってますえ。なんや軽い騒ぎになって、おかげでうちの店は大繁盛どす」
「え…それ本当ですか…」
「寧々さん!ここで働いていた時の鈴音ってどんなだったんだ?」
酔っ払った原田さんと永倉さんがヘラヘラしながら聞いた
「ええ、今も昔も変わらず心の綺麗な子でおす。初めて見たときは、こんなに綺麗な子は見たことないってびっくりして…仕事も私に心配かけまいと頑張ってくれてはりました。」
寧々様は懐かしそうに目を細めて笑う。
相も変わらず綺麗でドキッとしてしまう