幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
「皆はん。出来上がりましたえ」
声がピタリ、と止んだ
一斉にこちらを注目する。
「「 おお… 」」
「…すんげー綺麗だ、鈴音」
「こりゃ島原1になるわなぁ」
「うん、もともと素敵だけどね…こうするとさらに綺麗だよ、鈴音ちゃん」
恥ずかしくて照れてしまうが、素直に嬉しかった。
…ただ一人、私を見つめて固まっている人が居た
「土方さ…ん?」
のぞき込むとバッと慌てて顔を隠す土方さん。
「そ、その、」
「?」
「あんまりにも綺麗で驚いた…」
初めて分かった。愛する人に綺麗だと言われるとこんなにも嬉しいことに。
溢れ出す幸せを噛み締めながら微笑んだ。
「お酌、させてもらいますね」
「ああ…頼む」
当分こんなことはしていなかったものの、体は覚えており、なめらかな手つきで手を添えながらお酌をする。
「鈴音ー!こっちにも酌してほしいな!」
「はい、只今」