幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
店を出て夜道を歩く。
「いやー、それにしても、鈴音ちゃんの芸妓姿は最高だったなあ」
「そうだねー。鈴音ちゃんいつも綺麗だけど女って化粧とかで変わるもんだね」
「俺、鈴音の芸妓姿、絶対に忘れねぇ自信あるぜ!」
そう口々に言う彼らの話を聞いてうう、と複雑な気持ちと鈴音は葛藤していた。
昔は上手く流していたが、自分に一番近い存在の彼らに言われるとなんだか気恥ずかしい。
「う、恥ずかしいのでやめてください…」
「まあまあ、鈴音の芸妓姿の感想は胸の中に留めておいて。あんましいじめんなよー?」
ゲラゲラと豪快な笑い声が静かな夜道に響いていた。