幕末カレシ~新撰組に飼われた蝶~
「逃がさねぇ」
両手首を掴み、耳元で低く呟くその人に私は酔ってしまいそうで…
は…と吐息が漏れる
「愛してる」
私の胸に顔を埋めてちゅ、と音をたてて離れた愛しい彼の唇がそう言って震えた。
…幸せや愛を求めたくても求められなかった私は新撰組に拾われ、沢山の人から幸せをもらった。
そして一人の人から大きな永遠の愛をもらった。
私も、大きな永遠の愛をあげたい。
そう、
「歳三さん…」
貴方に。
「私も、愛してる」