教室で愛を叫ぶ










「………その家庭教師じゃなくても、俺が教えてやるからいいじゃねぇか」










……………ん?










物思いにふけていた私は、先生の言葉で一気に現実に引き戻された。











「………先生、今なんて言った?」














「……だーかーら、俺が教えてやるって言ってんだよ」
















不機嫌そうに少し口をとがらせている先生。













待って。










待って。










すんごい嬉しいんだけど。











先生がめちゃくちゃかっこいいんだけど。









怒ってるはずなのに、どこか可愛げすら感じられる私の先生への素晴らしいほどの愛。












「全力でお願いしますっ!」











さっきまで憂鬱で仕方なかった私だけど、ぱぁっと気分が晴れた気がした。










先生も、ニヤリとだけ私に向かって笑った。










今ならその意地の悪そうな笑みも、私には見せない無邪気な笑みに見えるよ、うん。












心の中で盛大に万歳をした。












「ま、とにかくこれからは合コン禁止で、もちろん酒も禁止な」











随分柔らかくなった注意に、私は笑顔でうなずいた。














先生がいるから、もう二度と合コンなんて行きません。










合コンの必要なんてありません。
















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