教室で愛を叫ぶ
……まぁそもそもなんでこんな変なことになってしまったのかというと。
すべては、夏穂が原因だ。
数日前__________。
「美海ぃ~。あたしおなか空いた……」
「………まだ二時間目じゃん」
最近はサボらず毎朝きちんと学校に来ている私。
もちろん言わずとも先生の影響だ。
「ねぇ、購買いこ!メロンパン食べたいっ」
「……お弁当は?」
「それはお昼休みに食べるに決まってんじゃん!」
………はぁ、とため息をついて立ち上がった。
「さっすが美海~」
上機嫌な夏穂に薄く笑いかけた。
「もう、私のも何か奢ってよね」
「あいあいさー!」
そしてスキップをしている夏穂において行かれないように、小走りで廊下を移動していると…。
「………あーーーー!やっばい!」
夏穂がくるっと私の方を向いてあわあわと焦り出した。
「……どーしたの?」
足を止めて夏穂に問いかける。
「お財布忘れた……」
………あぁ、もう。
「いいよ、私が出すから後でちゃんと払ってよ」
スマホだけはちゃっかりと持っている夏穂には呆れを通り越して、どこか可愛げさえ湧いてしまった。
「さすが美海ー!もう愛してるぅーん!」
そう言って夏穂が私に抱き着いて来たとき。
「……うおっ!」
私は勢いのある夏穂に押され、後ろへと一歩下がってしまった。
そしてドン、と背中に当たった感触。
………あーあ、と思った。
ベリッと夏穂を引きはがして慌てて後ろを見向く。
「……すみませんっ」