雷
来週、
行けるって時に起こった事件。
私は一生忘れられないだろう。
その日、私はゴールデンウイークで暇つぶしに絵を数枚描いていた。
誰よりもうまくなりたい。
誰よりもキレイに描きたい。
漫画を片手に
いろんなポーズの女の子を描いていた。
が、
後ろから殴られた。
アイツに。
「何絵ばっか描いてんだ!
勉強しろ勉強!!」
そういって私の描いた絵は適当に丸められ、勉強道具が目の前に置かれた。
母親も見ていたはずなのに
知らん顔。
腹が立った。
勉強をいやいややり始めてもアイツはずっと後ろに立って暴言を吐き続けた。
そしてトドメに、
「お前が勉強出来ないのは、お前の父親がそうとう頭が悪かったとしか思えない!」
そういって去っていった。
涙がこぼれた。
記憶に残ってない父親
顔も覚えてない父親
私を捨てた父親
そんな奴
でも私の血のつながった父親
その人までも侮辱し、
私を傷つけた。
許せなかった。
涙が怒りを押さえきれず
次々と流れ落ちた。
なぜかその時は
死のうとは、
思わなかった。
ただこんな苦しい家
出て行こう。
それだけを考え
私はついてきてしまった
光輝と小学生だった弟の龍平をつれて初めて家出した。