散る頃に咲く花

その後、青葉は朝餉の準備を始めた。

良かったのか悪かったのか、その日の手伝いは沖田と斎藤だった。

「じゃあ、これもう運んじゃうよ」

沖田はやはりいつも通りだった。

だから青葉もいつも通りに接したのだった。

その日は、沖田に何も話しかけられず、部屋にも呼ばれなかったので、久しぶりに屯所の掃除ができた。

「城崎さん」

廊下の床を拭いていると、誰かに声を掛けられた。

「山南様」

総長の山南だった。

山南とは、あまり関わりがないのだが、どうしたのだろう。
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