散る頃に咲く花

「違いやす」

青葉はその人を見ずに答えた。

「変な推測は止めておくれやす。沖田様」

沖田だった。

「今日は来おへん思っとったんに、来たんやな」

「一日一回君の喋り方聞きたくてさ」

いつものように冗談なのか本気なのか分からない喋り方だ。

「ほんなら、これでいいやろ?自分の部屋に戻りやす」

「そうだね。じゃあ、お休み」

そして沖田は戻っていった。

何がしたかったのかしら。

特に何をするつもりで来たわけでもないのに。

本当に変な人。
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