散る頃に咲く花

「土方様」

どもる近藤を救ったのは、土方だった。

「愛想良く、というのは、笑顔でいろ。ということでしょうか？」

訪ねると、近藤と土方は頷いた。

「要はご機嫌取りだ。才の立つ人間は大切に扱わないといけねぇからな」

「トシ、そんな言い方はないじゃないか」

「本当のことだろ？俺は伊東ってやつは、信用出来ねぇ気がするんだ」

近藤は困った顔になる。

困り顔の近藤には目もくれず、土方は続ける。

「無理にとは言わねぇよ。ただ、大切な人材の機嫌を損ねる訳にはいかねぇからな」

そう土方が告げると、二人は去っていった。