散る頃に咲く花

愛想良く、ね。

では、いつからか止めた愛想笑いを再発させましょう。

数日後。

「よくいらっしゃいました、伊東さん」

「これから宜しくお願いしますね」

近藤と、新隊士である伊東は楽しげに話をしている。

今は屯所の中で宴のようなものをしているのだ。

青葉は今からその場所に酒を持って行こうとしている。

酒を持ち部屋に入ると伊東の目が青葉に注がれた。

「これはこれは、美しい女中さんですね」

伊東は青葉の容姿を褒める。

「いえ、そんな事は御座いませんよ」

青葉は笑顔で応じた。
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