散る頃に咲く花

「だから、君は僕を恨んでいいんだよ」

沖田は悲しそうに青葉を見つめた。

「なんで、なんでそんな事言うんどす?」

青葉は、違うことに怒りを覚えていた。

「栄さんが死んだのはあなたのせいじゃない!栄さんは、自分の誠を貫いて死んだんどす!武士として、誇りを持って死んだんどす!」

だめ、これ以上言っては。

だけど、止まらない_____。

「栄さんの命が、本当は助けられるはずの命やったようなこと言わないで!栄さんは、自分のやれることをやり尽くしたはずどす!」

青葉は涙を流した。

「せめて、私にそう思わせていて」

栄さん、そうですよね?

見えない栄助に、心の中で語りかけた。
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