散る頃に咲く花
青葉は涙を拭って言った。
「沖田様、ほんま、おおきに。うち、明日栄さんのお墓に行ってみよ思います」
「そっか」
沖田はただ、そう呟いた。
そして唐突に言った。
「ねぇ、青葉ちゃん。僕も、君の本物の笑顔が見てみたいな」
「なん、で?」
青葉は戸惑った。
どうして、栄さんと同じ、優しい顔をして言うのかしら。
私の笑顔を、どうして見たいのかしら。
ほら、こんなにも、優しい顔をして。
どうして、言うのかしら。