散る頃に咲く花
栄助の墓
次の日青葉は朝餉の片付けをすませ、屯所からすぐの壬生寺に向かった。
ここに、栄さんのお墓があるのね。
初めて屯所に来た日に、近藤に聞いた。
それを沖田に聞かれていたのだが。
青葉がそんな事を思い出していると、壬生寺に着いた。
そして栄助のお墓の前に立ってみる。
ここに、栄さんがいるんだ。
「栄さん?私の声が聞こえますか?聞こえている事を願います」
青葉は目を瞑った。
「栄さんは、嘘つきですね。必ず、私がいるところに戻ってく言ったのに。戻ってきてくれませんでしたね。なんですか?このありさまは」
青葉は目を開き、栄助のお墓を見つめた。