散る頃に咲く花
「戻ってきて、くれなかったじゃないですかっ!」
ぽろりと、涙が零れた。
それを拭いもせずに青葉は続ける。
「私は、あなたが来るのを、ずっと待っていたんです。手紙が来るのを、楽しみに待っていたんです。あなたの文字一つ一つに、心が込められているから。なのに、なんで、死んでしまったんですか?」
青葉はしゃがみ込んだ。
そして、泣いた。
泣いて、泣いて、泣いた。
栄助の死を知ったときのように。
それでも、栄助は戻って来なかった。
当たり前のように。