散る頃に咲く花
「私はどこにも行きませんし、消えませんよ」
青葉は呟く。
「うん、分かってる。それでも、君がいることを確かめたいんだ」
青葉は、胸のあたりで組まれている、沖田の腕に触れた。
夏で少し黒くなったであろう腕。
剣道でしっかり筋肉の付いた腕。
何人もの人を斬ってきたであろう腕。
この腕の中に私は……
え?
私、抱き締められてる?
「っ!」
青葉が逃げようとするので、沖田は離した。
「今更逃げなくてもいいんじゃない?君、結構落ち着いてたでしょ」