散る頃に咲く花
才の立つ者

その後青葉は早足で屯所に戻ってしまった。

私はどうしてしまったのかしら。

青葉は自分の部屋への廊下を歩きながら考えた。

今だに胸の動悸が収まらない。

胸に手を当てて深呼吸してみる。

沖田様は、何故私を抱き締めるのでしょう。

そうだわ。あれはきっと、私をあやしてたのよ。

沖田様はきっと、子供をあやすようにしか思っていなかったのよ。

そうよ、きっと。

青葉はそれで納得しようとした。

「城崎さん?どうしたのですか?」

そんな青葉に誰かが声をかけた。
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