散る頃に咲く花
「なぁなぁ!じゃあ俺、青葉って呼んでもいいか!?」
藤堂がとても嬉しそうに聞いてくる。
青葉は藤堂と歳が近いらしい。
「はい。お好きなようにお呼びください。藤堂様」
「藤堂様?平助でいいよ?」
「しかし、私はただの女中に過ぎません。皆様のことは様を付けさせて頂きたいと思います」
青葉は丁寧な言葉で返した。
「そっかぁ。まぁ、何はともあれよろしくな。青葉!」
「はい」
青葉は深く、礼をしたのだった。