散る頃に咲く花
恋人との別れ
山南は遂に朝帰りするようになった。
「山南さん、あんたいい加減にしろよ」
土方が低い声で山南に詰め寄る。
山南は俯いたままだ。
「私に居場所がないのなら、自らこの手で……」
自分の手を悲しそうに見つめる。
「山南さん」
山南の名を呼ぶ土方を押し退けるようにして、自分の部屋に戻ってしまった。
「山南さん!」
土方も悲しそうな顔をする。
「早まらないでくれよな」
しかし、土方の願いは叶うことはなかった。