散る頃に咲く花

しかし、運命は残酷なもので、

「山南さん……」

「何で……」

沖田は、山南を連れて帰ってきてしまった。

沖田は俯いたまま、自分の部屋に閉じこもってしまった。

「心配をおかけしました。腹を詰める覚悟なら、もう出来ていますよ」

山南は笑顔を崩さずに言う。

「あぁ、山南さん。あんたは、切腹だ」

言った土方が一番悔しそうな顔をしている。

そんな土方にも、山南は笑顔で頷くだけだった。
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