散る頃に咲く花
「山南君、介錯は、本当に総司でいいのかい?」
近藤と山南はまた会話をしていた。
「はい。沖田君のことは、大切に思っていましたから。だからこそ、彼に介錯をお願いしたい」
山南は微笑んだ。
「では今、総司を呼んでくるから、その時は……」
近藤は最後まで言わずに、沖田の部屋へ向かってしまった。
「山南はん!どこや!?山南はんは!」
その時、女の声が聞こえた。
きっと、明里さんだわ。
永倉様が、間に合ってくれたのね。
青葉は必死で山南の姿を探す明里を見て、心が張り裂けそうになった。