散る頃に咲く花
「明里」
山南は窓から顔を出した。
「山南はん!」
明里は走って山南のいる部屋の外に来た。
「なんで?なんで山南はんが切腹せなあかんの?なんでや!」
叫ぶ明里な山南は微笑んだ。
「明里。またお店に行きますからその時は宜しくお願いしますね」
「山南、はん。」
その時明里は悟ったであろう。
山南は、本当に切腹するのだと。
切腹する前に山南がそう言ったのは、少しでも明里を笑顔にしたかったからなのかもしれない。