散る頃に咲く花
「じゃあ、店で待ってますから、必ず、また店に来ておくれやす」
明里も涙を流しながら山南に合わせた。
二人の、叶うことのない約束。
山南はもう一度微笑むと、窓を閉めた。
「山南はん!必ず、また!」
明里はそこにうずくまった。
「なんで、こんなことに……」
青葉は声をかけるべきかと迷った。
声をかけたとしても、私は何て言えばいいの?
明里さんが、もっと傷つくだけだわ。
結局青葉は、声をかけることが出来なかった。
明里は泣き崩れながら店に戻っていった。