散る頃に咲く花
それから暫く宗次朗と話した。
それでも栄助は来ない。
青葉は泣きそうになってしまった。
『泣かないで。きっと来るから』
『泣きまへん』
青葉はそう言いながら目に涙を溜める。
宗次朗は困り顔になってしまった。
『ちょっと待っててね』
宗次朗はそう言うと、一つのお店に入っていった。
少しすると、手に何かを握って戻ってきた。
『はい、これ』
宗次朗は何かを差し出す。
『紐?』
それは、緑色の蝶の飾りが付いた紐だった。