散る頃に咲く花

「まぁ、ほんまに宗次朗様が沖田様だったんどね」

「だから最初から言ってたのに」

しみじみと言う青葉に沖田が言った。

それに付け加えもう一つ。

「そういえば覚えてる?あの時も僕が抱きしめてあげたんだよね」

「そ!それは、二年前の事ですやろ?まだ幼かったんどす」

青葉は顔を赤くした。

「でも今回は僕が誰かに抱き締めて欲しい感じかな」

「沖田様……」

そういえばこの方、ついさっき山南様の介錯をしたのでした。

あぁ、きっと、その辛さを紛らわす為に、こんな会話をしていたのですね________。

その時沖田が言った。

「ねぇ、抱き締めて?」
< 174 / 338 >

この作品をシェア

pagetop