散る頃に咲く花
「この事は、他言無用ですからね?」
笑みの奥には黒いものがあった。
「お、おう」
土方は引き気味に頷いた。
「でもよ、夕餉の時に二人していなかったら二人で何かしてるんだろうと皆思うぜ?」
夕餉?
「あ!夕餉の支度!今はどれくらいですか?」
すっかり忘れてしまっていた。
「さっき夕餉が終わったとこだ。夕餉の事なら心配すんな。俺達が自分でやったから。皆、多分今日のことで落ち込んでるんだろうと言っていた」
今日のこと、とは、山南の切腹のことだろう。
青葉は俯いた。
「明日の朝餉からは、頼むからな」
そう言うと、土方は去っていった。