散る頃に咲く花

「僕、夕餉食べるけど、君も一緒に食べる?」

沖田が尋ねてきたので青葉は頷いた。

「何か残ってるといいんだけど」

沖田が呟きながら歩く。

台所に着くと、作ってあるものは何もなかった。

「何か作りますね」

青葉は食材を選ぶ。

「簡単にでいいよ」

沖田はそう言うが、いつも通り作った。

「さぁ、行くよ」

膳を持った沖田が言う。

「どこへですか?」

「君の部屋と僕の部屋、どっちがいい?」

「はい?」

青葉は聞き返していた。

「それぞれの部屋で食べればいいではありませんか」

個室ではないので標準語を使う。
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