散る頃に咲く花
「伊東さん、僕達お腹空いてるんでもう部屋に戻ってもいいですか?」
沖田が少し苛ついたように言う。
「あらあら、引き留めてしまってすみませんでした。夕餉を楽しんでくださいね。二人で」
そう言うと伊東は去っていった。
青葉は笑顔のまま沖田の部屋に入った。
膳を置き、青葉は言う。
「あの方は何故あんなに二人を強調するんやろ」
笑みが張り付いた顔を手で解す。
「あの人は分からない人だよね」
あなたも大分分からない人ですがね。
その言葉を飲み込んだ。