散る頃に咲く花

山南の死から少したった頃、西本願寺への屯所移動が決まった。

「山南君の気持ちも理解しているが、隊士が多くなりすぎてな」

最終的には、近藤が決めたことだった。

しかし、

「近藤さん、伊東の野郎に飲まれてるよな」

「あぁ、西本願寺への屯所移動だって、奴が勧めてたしな」

こう、永倉と原田が話していた。

「そんな、伊東さんは、新選組を思って……」

伊東と昔からの知り合いである藤堂は、酷く悲しんでいた。

「そりゃあ、そうだろうけどよ」

二人は納得しない様子だった。
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