散る頃に咲く花

「近藤さん、この屯所はとても汚い」

「はい?」

健康診断を終えた医者、松本良順の第一声がこれだった。

「汚ければ健康にも悪い。だったら近藤さん、あんたがする事は一つしかないだろう?」

「え、え?」

「屯所の掃除をして風呂を作ればいいんですね?今すぐ作らせます」

戸惑う近藤に土方が助け舟を出した。

「よく分かってるじゃないか。さすが土方君だ。これは局長と副長を入れ替えた方がいいんじゃないか?」

「ちょ、ちょっと松本先生」

はっはっはと笑う松本に近藤が苦い笑みを零した。
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