散る頃に咲く花
「僕は野菜本来の味を出そうと思っただけだよ」
「じゃあ、総司の切った人参はどうだ?あれは四、五回くらいしか包丁入れてないだろ。すげえでかかったぞ」
「それは新八さんとかの一口が大きいから、それくらいの大きさに切っただけだよ」
永倉の質問にも飄々と答える。
「青葉お代わり!」
そんなとき藤堂が茶碗を差し出してきた。
「はい」
青葉がご飯をよそう。
「どうぞ」
「ありがとな!」
青葉が差し出した茶碗を、藤堂が嬉しそうに受け取る。
「じゃあ俺も」
「俺も頼む」
永倉と原田も茶碗を差し出してきた。
「はい」
再びご飯をよそって渡す。
そんなことを数回繰り返して、賑やかな朝餉は終わった。